HAL活用コンサルティングの経過報告
悠う湯ホームでは、今年6月から介護ロボット活用コンサルティング(埼玉県産業振興公社様)のご指導のもと、HALの活用に取り組んでいます。
今回は、これまでの取り組み状況をご報告します。
いちばん最初に行なったのが、まず
「ロボットに関係なく、今の職場の問題点は何か」
を把握することでした。
プロジェクトメンバーが思いつくままに現在の業務の問題点を挙げていき、付箋紙で貼っていきます。
それを類似したテーマごとに分類し、どの課題がHALによって解決できるのかを考え、今後の活動計画を話し合いました。
その結果、HALによって解決可能な課題が以下の4つにまとまりました。
①労働環境の改善
(腰痛予防・負担軽減)
②職員の人材育成・確保
(職員が主体的に活動する雰囲気の醸成と、施設のイメージアップによる就業希望者の増加)
③利用者の満足度アップ
(①により介護の質を向上し、ご利用者に喜ばれる機会を増やす)
④業務プロセスの改善
(介護業務の「見える化」に取り組み、さまざまな業務を改善する)
HALを使うことで直接解決できるのは①と③ですが、組織的にHALの活用に取り組むことそれ自体が、②や④の副次的な効果につながっていくことになります。
いずれも「みなの福祉会」が今後、持続的に成長していくためには欠かせないポイントです。
では、これらをHALで解決するにはどうすればよいか?
HALはこれまでにない新しい機器であり、見慣れていない・使い慣れていないこともあっていきなり業務に定着させることは難しいものがありました。
そこで、課題解決への取り組みを2段階に分け、第1段階として8月~10月を
「HALを職員・ご利用者・面会者等に認知してもらう広報活動の期間」
と設定しました。
具体的には、介護職員が全員、毎日交代でHALを装着して日常の業務を行なってもらい、職員自身やご利用者などにHALを見慣れてもらう、慣れ親しんでもらうことを目標としました。
並行して、対外的なPR活動としてHAL装着体験や出前講座などにも取り組むこととしました。
施設内では、ご利用者の皆さんは「カッコいいよ!」などと声を掛けていただくなど、意外なほどなじんでくださった反面、職員には腰痛の有無などに関係なく一律に着用してもらったため、装着によってかえって疲れを感じる人が出てきました。
そこで装着職員を5名に限定し、さらにHAL活用の次のステップに向けて
「HALの有る無しで仕事の負担感がどう変わるか」
「HALがどの業務に特に効果的か」
ということを確認しながら使ってもらうこととしたのです。
それで分かってきたのは、離床介助やおむつ交換、入浴介助などで使うと体がラクに感じること、その他の作業ではHALがなくても負担感はあまり変わらない、ということでした。
こうした結果はメーカー等の資料にも書かれていることではありますが、職員自身が実感して得た結論という点がとても大切です。
また、継続して使っていく中で出てきた不満点、たとえばポケットが自由に使えないといった問題については、プロジェクトメンバーと実際に装着している職員が検討を重ね、HAL本体にポケットポーチを取り付けてみるなど、着々と解決策を見出していっています。
11月から取り組む第2段階に向けてはこうした結果を踏まえ、いよいよ本格的にHALを活用するための準備を進めていきます。